シンポジウムのテーマと開催趣旨
今回の夏のプログラミング・シンポジウムでは「スペース × プログラミング」というテーマで発表を募集します.スペースに関するものであればどんな分野のテーマでも歓迎します.メモリを節約する省スペースプログラミングやコードゴルフ,こだわりの研究スペースの作り方,人工衛星で使われるソフトウェアの開発ノウハウ,大規模な宇宙データ解析の話など,多彩な専門家の発表が議論の導火線となることを期待しています.最密充填問題や組版の字間計算アルゴリズムに関する話題もスペースに関係していると言えるでしょう.ショート発表枠も用意しているので,短いプレゼンテーションでも,あなたの周りのスペースに関する現実の問題をどのように解決しているか,ぜひご紹介いただければと思います.
日程・会場
重要な日程
- 第1次発表申込:
2024年8月22日(木) ~ 2024年8月31日(土) - プログラム公開:2024年9月2日(月) 暫定版プログラムを公開
- 参加者申込受付:2024年9月2日(月) ~ 2024年9月18日(水) 参加者申込フォームを公開
- 第2次発表申込:2024年9月2日(月) ~ 2024年9月13日(金) ※ 発表申込受付中
(※申込多数の場合は締切を早めることがあります) - プログラム更新:2024年9月16日(月) 確定版を公開
- シンポジウム :2024年9月21日(土)
- 報告集原稿締切:2024年10月31日(木) 予定
参加者申込受付
参加者申込フォーム:https://forms.gle/RMudHzJyMS3usT1o6 からお申し込みください.
- 今のところ現地開催のみを考えていますが,オンライン参加の希望が多ければZoom配信もベストエフォートで検討します.
- 現地ボランティアの方(手伝っても良いという方)の参加も募集しています.
テーマ: 「スペース × プログラミング」
プログラミング・シンポジウムは,多方面の人々の共通の討論の場,意見交換の場であることを趣旨として掲げています.
- 一般講演 45分枠
- 会期中のセッションで,45分 (発表30分 + 質疑15分) 程度の口頭発表を行っていただきます.発表と質疑の時間比率は調整可能です.
- ご発表後に,情報処理学会が発行する報告論文集へ掲載する報告の提出をお願いしていますが,必須ではありません.
- 報告の提出にあたって,情報処理学会への著作権譲渡手続きが必要になります.詳細については発表を申し込まれた方に後日連絡いたします.
- ショート講演 15分枠
- ライトニングトーク枠 15分 (発表10分 + 質疑5分)の口頭発表を行っていただきます.
- 企業などで学術系の活動・コミュニティと普段あまりかかわりがない方や,カジュアルに発表したいことがあるという方を,おもに想定した発表カテゴリです.
- 学術的な新規性や有用性の議論といった内容には限定せず,業務を通して得られた新しい知見の共有や,学術的な知見のある人と議論してみたいテーマの提起など,幅広く募集します.
- 構想段階のものや研究途上の議論も歓迎します.
- その他、デモ展示、ワークショップ等(応相談)
- 所定の場所でデモの掲示とワークショップをおこなっていただけます.
- 場所に限りがあるためすべてのご要望にお応えできない可能性があります.
発表募集(第2次発表申込受付中)
発表申込フォーム:https://forms.gle/RwkbG8bjHReQ6k8y7 からお申し込みください.
- 幹事会において発表タイトルと概要を基に採録検討を行い,採録の可否を決定します.
- 著者・発表タイトル・概要は随時Webでの公開を予定しております.
提示テーマの例
以下の提示テーマに限らず,スペースに関するものであればどんな分野のテーマでも歓迎します.
- 宇宙 - 宇宙の重力波の解析 - 人工衛星の制御プログラム - 地球観測衛星の画像処理 - 空間 - VR/AR,デジタルツイン - こだわりの研究スペース - 都市計画,建築 - 字間 - 組版の文字詰め計算 - 自然言語処理の形態素解析 - 検索のための分かち書き処理 - 空白 - 図形詰込みアルゴリズム - 最密充填問題 - 余白のデザイン - 多次元 - 多次元空間の可視化 - 非ユークリッド幾何学 - 超弦理論,標準模型 - 時空間 - 時空間キューブの可視化 - 流体解析シミュレーション - 移動位置情報のストリーミング処理 - 3D - 3DプリンターのGコード変換処理 - 裸眼立体視ディスプレイ - CT画像・MRI画像から立体復元 - ゲーム - スペースインベーダー以前の論理回路ゲーム基板開発 - スペースハリアーのような疑似3D表現手法 - Kerbal Space Programの面白さについて - SFアニメ - GUNDAMで使われているOS - STAR TREKにまつわるトリビア - プラネテスが提示したスペースデブリ問題 - 空間認識 - 自動運転のセンシング - マルチモーダルAI - ポスター配置 - 選挙ポスターのスペースを埋める手法 - ポスターが美しく見える配置 - プログラミング言語 - インデント戦争の解決手法 - Whitespaceに関する研究 - スペースを使わないプログラミング技法 - 省メモリプログラミング - ショートコーディング,コードゴルフ
プログラム(暫定版)
各セッションの時間などは調整のため変更の可能性があります
2024年9月21日(土)
- 開場 (受付開始) : 10:00 - 10:30
- この時間にビル入口で入館証を配布します
- オープニング : 10:30 - 10:45
- 幹事より連絡事項等をアナウンスします
セッションAM : 10:45 - 12:30
- [一般講演1] 10:45 - 11:30 「人工衛星の開発体験向上のために、ソフトウェアからできること」
- 発表者 : 坂本 優太(ArkEdge Space Inc.)
概要
人工衛星の開発は、幅広い技術分野が交わる非常に複雑なものです。機構設計、熱設計、電力設計、姿勢制御、通信といった分野の専門知識やエンジニアが必要となる上で、それぞれが相互に影響します。また、打ち上げのためのロケットの調達や、国際的な周波数調整など、組織外との調整も多岐に渡ります。このような複雑なプロジェクト運用は、開発期間が数年から十年であったり、予算規模が大きな国家プロジェクトであればまだどうにかなってきました。このような背景がある上で、アークエッジ・スペースは小型の人工衛星を高速かつ安価に開発・運用することに挑戦しており、現在も同時に複数機の人工衛星を開発しています。そこで生じる、如何にして1機あたりの調整コストや認知負荷を減らすかという課題に Rust や Web 技術の積極的な活用を通して取り組んでいる事例を紹介します。
- [一般講演2] 11:45 - 12:30 「Space on Paper: 文字組版のアルゴリズムの基礎」
- 発表者 : 諏訪 敬之 (京都大学大学院・国立情報学研究所)
概要
本発表では,発表者が2017年度未踏事業の1プロジェクトとしてSATySFiという組版処理システムを開発した経験をもとに,組版処理のうち特にアルゴリズム的に面白い部分である行分割アルゴリズムについて紹介したいと思います.また,この処理に関連してスペーシング・カーニング処理・合字・禁則処理などにも触れ,種々の文字組版上の要件とその実現に必要なアルゴリズム上の工夫についても概略的に説明したいと考えています.理論的根幹はTeXの実現の際に考案されたKnuth–Plassアルゴリズムでかなり完成しているものですが,発表者による少々の独自の工夫や,またさらに今後機能を拡張したいと考えているもののどんな点が厄介かなどについても紹介できればと思います.
- 昼食休憩 : 12:30 - 14:00
セッションPM : 14:00 - 15:45
- [一般講演3] 14:00 - 14:45 「安野たかひろ選挙掲示板マップがつくった未来」
- 発表者 : 小林 修平 (チーム安野), 植田 陽 (チーム安野), 中村 優太 (チーム安野)
概要
2024年7月7日に行われた東京都知事選挙において、候補者である安野貴博ならびにチーム安野とボランティアチームは、東京都内14232箇所に設置された全ての掲示板にポスターを掲示できた。この貼付作業を支えたテクノロジーの活用事例や泥臭い苦労、現場目線で気がついた課題など、選挙活動の裏舞台を紹介する。 ※本発表は2024年7月19日に行われた「mapbox/OpenStreetMap Online meetup」での登壇と概ね同内容となる予定です。https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu3/1617209.html
- [一般講演4] 15:00 - 15:45 (募集中)
- 休憩 : 15:45 - 16:00
ショートセッション : 16:00 - 17:00
- [ショート講演1] 16:00 - 16:15 「Executable and Linkable Format におけるスペースの有効活用」
- 発表者 : 河田 旺
概要
ELF(Executable and Linkable Format)は、Linuxにおいて広く使用されているバイナリフォーマットです。このELFフォーマットで生成された実行可能バイナリには、しばしば余分なスペースが存在し、これを効果的に活用することで既存の実行ファイルに新しい機能を追加することが可能です。具体的には、ビルドIDを保持するために使われている領域や、パディングとして挿入されているスペースなどが該当します。これらのスペースの有効活用技術は、一般的にはウイルス作成に用いられることが多いものの、非常に興味深いテクニックであり、ウイルス作成以外の用途にも応用可能です。参加者の皆様とともに、これらのスペースの有効活用に関する有意義な議論を交わせることを心より願っております。
- [ショート講演2] 16:15 - 16:30 「INTEROPでの宇宙インターネット環境の再現とDTNを用いたアプリケーションデモの展示」
- 発表者 : 内田 祥喜 (慶應義塾大学)
概要
2024年6月、幕張メッセで開催されたInterop Tokyo 2024の特別企画「Internet X Space Summit」では、宇宙とインターネット技術の統合に焦点を当てた多岐にわたるトピックが取り上げられました。このサミットでは、遅延・断絶耐性ネットワーク(DTN)、NASAが提唱する月通信アーキテクチャ「LunarNet」のような新しい通信技術、そしてSRv6などの地上ネットワークと宇宙ネットワークを統合するための技術について議論が交わされました。今回発表させて頂く内容は、惑星間インターネット(IPN)の実現に向けて、既存の複数のBundle Protocol(BP)実装を活用して構築された実験用DTN環境を構築したことです。INTEROPのSHOWNETではInteroperability Testを実施しました。この環境を活用し、ブースではサービスを提供し、その状況を可視化するシステムも導入しました。これにより、DTN環境を利用したアプリケーションのデモンストレーションが行われ、新しい宇宙インターネットの可能性が具体的に示されました。
- [ショート講演3] 16:30 - 16:45 「実空間アプリケーション開発支援ライブラリ Sensorium SDK」
- 発表者 : 吉田 貴寿 (慶應義塾大学), 近藤 豊生 (デジタル庁), 渡辺 貴史 (株式会社Preferred Robotics), 橋本 大輝 (株式会社N sketch), 小林 康平 (武蔵野美術大学)
概要
空間コンピューティングの実現のためには、仮想空間の実空間への投影のみならず、実空間側のデジタルインタフェース化が求められます。Sensoriumプロジェクトでは、この点に着眼し、従来より力覚遍在化技術(力覚センサグリッドを用いて接触点の空間位置を特定する技術)の研究開発を進めてきました。加えて、この技術の応用・実用化のために、実空間アプリケーション開発支援ライブラリSensorium SDKの開発も行っています。このライブラリでは、空間上のオブジェクト(人や家具など)の検出やその行動の認識を、イベントベースで統一的に扱う仕組みを提供しています。本発表では、Sensoriumプロジェクトの構想やSDKの開発に関して、その現在地と展望を発表します。なお、発表者らは2023年度未踏アドバンスド事業に採択されており、これらの技術開発の一部は情報処理推進機構の支援を受けています。
- [ショート講演4] 16:45 - 17:00 (募集中)
- 休憩 : 17:00 - 17:30
ディスカッション等 : 17:30 - 18:30
- (企画募集中)
- 撤収 : 18:30 - 19:00
- 入館証を必ずご返却ください
幹事
- 竹迫 良範(リクルート)
- 中山 心太(NextInt)
- 荒川 淳平(IzumoBASE)
- 竹内 郁雄(未踏)
- 大日向 大地(富士通)
問い合わせ
- sprosym2024 {at} ipsj.or.jp