日程・会場

  • 日程:
    • 開場: 2023年1月6日(金) 12:30 (受付開始)
    • 開会: 2023年1月6日(金) 13:30
    • 閉会: 2023年1月8日(日) 12:00
  • 会場:
    • 現地会場: ラフォーレ修善寺
      • 注: COVID-19 感染状況の極端な悪化などがあった場合,急に変更となる可能性があります.
    • オンライン会場: ZoomSlack

詳細は「参加募集のご案内」をご確認ください.

1 日目 : 2023年1月6日 (金)

修善寺駅からラフォーレ修善寺までは,ラフォーレが運営するバスでの移動になります.お時間にお気をつけください.

定期運航便の他に,臨時便を出してもらうことを検討しています.

開場 (受付開始) 12:30
オープニング 13:30 - 13:40

セッション 1 : 13:40 - 15:00 座長: 伊知地 宏 (ラムダ数学教育研究所)

[一般講演] 制約オートマトン:実装と課題
新屋 良磨(秋田大学),藤浪 大弥(国立情報学研究所)
概要
制約オートマトンとは有限オートマトンに「数を数える能力」を付加した拡張モデルであり,例えば { a^n b^n c^n | n > 0 } のような非正規言語(かつ非文脈自由言語)を認識することができる.数を数える仕組みはPresburger算術という値の足し算と比較のみを備えた算術体系によって実現される. 本講演では制約オートマトンの基礎理論について紹介し,制約オートマトンをバックトラックで実装する際の問題点や最適化技法について議論する.
[一般講演] Agdaによる集合論の証明手法 -- Zornの補題に関して
河野 真治(琉球大学工学部)
概要
Curry Howord 対応に基づく定理証明系である Agda は、 純関数型プログラミング言語でもある。 定理証明は、ソフトウェアを構成するの同じように構成される。 ここでは集合論の有名かつ重要な定理である Zorn 補題を例題にして 集合論の証明手法と Agda のプログラミング構成法について考察する。 超限帰納法、選択公理、排他律などが問題になる。Zornの補題は 整列集合(最小元を持つ全順序集合) を用いる。これのAgdaによる 定義と、それから導かれる性質。そして、実際にZornの補題の仮定下で 整列集合を数学的な 実在として構築する。そして、 整列集合には必ず不動点があることを示して、Zornの補題の 極大元の存在を示す。
休憩 15:00 〜 15:10

セッション 2 : 15:10 - 17:20 座長: 松崎 公紀 (高知工科大学)

[口頭発表] 機械学習モデルの公平性のテスト手法
趙 振江(電通大/産総研),戸田 貴久(電通大),北村 崇師(産総研)
概要
近年の技術発展により、機械学習モデルが実社会の様々な場面(裁判判決や融資審査、入学審査、等)で使用されるようになっている。一方で、そうした機械学習モデルが差別的な判断をすることが社会問題として認識されつつある。本発表では機械学習モデル公平性のテストのコンセプトを説明し、我々が開発する機械学習モデル公平性のテストVBT-Xを紹介する。
[口頭発表 (ショート)] 自由な地理空間情報をSPAで活用する
坂ノ下 勝幸(大阪情報コンピューター専門学校)
概要
Web技術の発達でSPA(Single Page Application)と呼ばれるWebサイトが登場している。 SPAの作り方を工夫することで、単純にフロントエンドに処理を集中させるだけでなく、従来は自前で用意していたデータベースを簡略化、外部化が出来る可能性がある。 そこで自由な地理空間情報データベース(OpenStreetMap)を活用したSPAを開発し、地図表現する際に工夫した点を報告し、これらの活用方法を議論したい。
[口頭発表 (ショート)] Pythonを利用したwavファイルのポーズ統制・発話速度導出の試み
吉村 有弘(放送大学大学院情報学プログラム)
概要
日本語話し言葉コーパスに関する発話速度は、モーラ数/秒を単位にして考察されている。日本語を仮名表記し、そこから「ャ、ュ、ョ」を除いた文字の数がモーラ数である。第二言語習得や流暢性の研究では、発話速度とポーズの関連が考察されることもある。TTSでspeech rateを変えず、break timeを長く設定すると、発話速度は当然遅くなる。Praatで手作業により音声ファイルの発話部分を特定するのは労力を要する。本発表では、PythonのSpeechRecognitionを使いwavファイルから漢字仮名まじりで文字起こしをし、MeCabで読みを仮名表記した後に「ャ、ュ、ョ」を除くことで、モーラ数が計算できるかを確認する。そして、librosaで、0.2秒以上のポーズを、0.2秒未満のポーズに統制できるか、発話速度がどう変化したかを考察することとする。
[一般講演] ふりがな付きHTML文書に対する文字列探索
齋藤 匡(電気通信大学情報理工学研究科),岩崎 英哉(明治大学理工学部)
概要
日本語文書に見られるふりがなは、機械的な文字列探索を難しくする要因にもなる。HTMLにおいてもふりがなは以前からよく用いられているが、そのページ内検索はどの最新ブラウザでも満足に行えないままである。たとえばFirefoxでは、ふりがなは検索対象から除外される。本研究では、この問題を解決する文字列探索の方法を考案した上でJavaScriptライブラリとして実装し、主要な複数ブラウザでの動作を確認した。
休憩 17:20 〜 17:30

各種報告 17:30 - 18:00

情報科学若手の会報告
GPCC 報告と案内
ポスター・デモセッション各発表のアピール (ライトニング・トーク形式)
アナウンスなど
夕食 18:00 〜 19:30

GPCC,ポスター・デモセッションなど 19:30 - 21:00

ポスター・デモセッションでは,ポスターやデモのみの発表に加えて,昼の通常発表と重複してポスター・デモとしても登録しているものがあります.これは,通常発表の議論をポスター形式でも少人数・対面でおこなったり,通常発表の内容をデモとして紹介したりできるようにしているものです.以下のリストでは,このような発表の冒頭に (*) をつけています.

また,ポスター・デモセッションの会場は 2 日目の夜までそのまま開いています.夜のセッション群と並行してになりますが,翌日の夜も引き続き,ポスターやデモの議論をおこなっていただけます.

多次元拡張 for 文を実現した新たな関数型プログラミング言語の開発
横山 航基(東邦大学),木村 大輔(東邦大学)
概要
新たなプログラミング言語Qsitory(シトリー)を提案する。 特徴としては、関数型言語がベースで高階関数や再帰関数が扱えて型推論もできる。それに加えて手続き型言語の特徴ももち,for文などが扱える。 他の言語にはあまり見られない、具体的な特徴としては「基本的なコレクション(リスト、タプルなど)の操作が演算子で可能」、「代入文の左辺にパターンが利用でき、タプルの1要素のみを取得するなどの処理が容易である。」、「Java や Python などの拡張for文を拡張し,複数のリストから1つずつ要素を取ってくり返しを行うようにした (多次元拡張for文)」などが挙げられる。 本発表では提案内容を実現するための評価アルゴリズム・型推論アルゴリズムを与え,これらに基づくインタープリタの OCaml 上でのプロトタイプ実装を紹介する。
(*) 機械学習モデルの公平性のテスト手法
趙 振江(電通大/産総研),戸田 貴久(電通大),北村 崇師(産総研)
(*) 不揮発性メモリを用いた複製に基づく永続化のためのリカバリー機構
松本 康太郎(高知工科大学),長安 尚之(電気通信大学),鵜川 始陽(東京大学),高田 喜朗(高知工科大学),岩崎 英哉(明治大学)
(*) マルチコアCPUとGPUを含むヘテロジーニアスなコンピュータ・クラスタ上での線形代数学演算の分散並列処理のための中間言語の設計・実装
山崎 進(北九州市立大学国際環境工学部)
(*) プログラミング初心者の次のステップへの支援システム
田中 雅也(電気通信大学情報理工学研究科),寺田 実(電気通信大学情報理工学研究科)

2 日目 : 2023年1月7日 (土)

セッション 3 : 9:00 - 10:45 座長: 大島 聡史 (九州大学 情報基盤研究開発センター)

[一般講演] LispマシンエミュレータCelisの並列化 ー Bridgetゲームへの適用
天海 良治 (プログラマ),竹内 郁雄(東京大学名誉教授)
概要
1980年代半ばに開発・市販されたLispマシンTAO/ELISのC言語によるエミュレータCelisは,最近のIntelやAMD CPU上ですでに当時の約300倍の速度で動作している.当時の技術水準により,エミュレータ部分を含めても使用するメモリは140MB程度であり,現在のPCのGBオーダーのメモリには数十台分が十分に入る.最近のPCのマルチコアの性能向上は目覚しく,16コアのマシンが容易に入手できるようになった.そこで,各コアで並列にCelisを走らせる実装をほとんどシェルプログラミングで行なった.これにより,一昨年のプロシンで報告したBridgetというゲームのAIを,現時点で3台48コア(49並列Celis)で,4手先読みで走らせることが可能になった.シンポジウムまでには,72コアに拡張する予定である.本報告では並列化のAPIや実装の工夫などについて述べる.
[一般講演] 不揮発性メモリを用いた複製に基づく永続化のためのリカバリー機構
松本 康太郎(高知工科大学),長安 尚之(電気通信大学),鵜川 始陽(東京大学),高田 喜朗(高知工科大学),岩崎 英哉(明治大学)
概要
不揮発性メモリ(NVM)は,電源を喪失してもデータを保持し続ける主記憶装置である.我々は,DRAM上のオブジェクトをNVM上に複製することで,システムがクラッシュした後でもデータを復元できるJava VMを開発している. これまで,オブジェクトの複製を作る機能を実現したが,本研究ではさらに複製を使ってデータを復元するリカバリー機能を実現した.そのために,クラスオブジェクトなどのメタ情報をNVM上に保存する仕組みを開発した.リカバリー処理では,DRAM上のヒープにオブジェクトの領域を確保し,その内容を複製から書き戻す.この処理を,ランタイムシステムにC++で実装した関数とJavaのライブラリメソッドが協調して行う.これにより,リカバリー処理中にごみ集めが起きるような複雑なケースにも対応している. 実際に提案システム上でプログラム実行中に電源を切断し,正しく復元できることを確認した.
[口頭発表 (ショート)] マルチコアCPUとGPUを含むヘテロジーニアスなコンピュータ・クラスタ上での線形代数学演算の分散並列処理のための中間言語の設計・実装
山崎 進(北九州市立大学国際環境工学部)
概要
線形代数学演算を高速化する研究には,機械学習や画像処理など応用先が広く存在するため大いに社会的意義がある.本研究では,チューリング完全ではない線形代数学演算の有限な長さの列で構成されたソースプログラムを,マルチコアCPUによるコンピュータ・ユニットおよびそれにGPUなどのアクセラレータを備えているようなコンピュータ・ユニットで構成されるヘテロジーニアスなコンピュータ・クラスタで効率よい実行するための中間言語の体系を明らかにし,この方式に基づくJITを並列プログラミング言語Elixirの線形代数学演算基盤であるNxのバックエンドとして実装することを試みた.
休憩 10:45 - 10:55

セッション 4 : 10:55 - 12:00 座長: 八木原 勇太 (フリーランス)

[口頭発表] プログラミング初心者の次のステップへの支援システム
田中 雅也(電気通信大学情報理工学研究科),寺田 実(電気通信大学情報理工学研究科)
概要
本研究ではコードの良し悪しにかかわるCognitive Complexityという指標を用いて、コードの品質についてコードを書きながら学ぶことができるシステムを提案する.ここではプログラミング入門を終えた学習者を中級者と定義し、プログラミング中級者が良いコードとは何かを理解することによって、よりよいコードを書くことができるようにすることを目的とする. 問題を提示してコードを書かせ、用意した正解コードと比較して、回答のコードに対してフィードバックを行う。 フィードバックの材料として、Cognitive Complexityを用いた複雑度の計測、凝集度や結合度を用いた計測などを用いる。この情報をもとにユーザへどこのコードがよくなかったのかを視覚的に表示するようにする。 また、上記に加えてよりわかりやすいコードをASTパターンマッチによりルールベースで提案することを検討する。
[口頭発表 (ショート)] 各教科で使用可能なフローチャートを利用した論理的思考力育成システムの開発
杉山 尚也(電気通信大学大学院情報理工学研究科博士前期課程2年),中山 泰一(電気通信大学大学院情報理工学研究科),小宮 常康(電気通信大学大学院情報理工学研究科)
概要
小学生児童向けのプログラミング学習教材として、フローチャートの作成と読解を通じて論理的思考力とコンピュータの操作を身に付けることが可能な学習システムの開発を行う。本システムの主な機能は二種類あり、「問題出題・解答機能」と「問題作成・編集機能」である。「問題出題・解答機能」は主に生徒が使用することを想定し、フローチャートの作成と読解を行う問題を提供する。「問題作成・編集機能」は教師が使用することを想定し、教師が「問題出題・解答機能」で課す問題を自由に作成し設定する。教師はこの機能を使い児童に解かせる問題を各教科で教える内容と連動させることが出来る。この機能により本システムは教科を問わずプログラミング学習を行う事が可能となる。今後の展望として、システムの改良を行った後、二つの機能に関する評価実験を行いシステムがプログラミング学習に有用であるか調査を行う。
昼食 12:00 - 13:00

招待講演 13:00 - 14:30

デジタルカーリングプロジェクトー歩みと展望ー
伊藤 毅志(電気通信大学)
概要
ひょんなことからカーリングの研究を始めようとしたのが2013年。当時、関連論文をいろいろ調べたが、カーリングの戦略をAIで行おうとする研究はほぼ無かった。1件試みたものがあったが、そのAIがどのようなシミュレーター上で動作しているのかの記述がなかったので、再現性がない研究になっていた。そこで、カーリングのAIを競わせることのできるプラットホームを作るために、デジタルカーリングを提案した。初代のデジタルカーリングは、非常に単純な物理法則で動作するシステムであったが、そのシミュレーターのおかげで、カーリングAIの研究は大幅に進化した。近年、カーリングのストーンの挙動に関する精緻な分析が行われるようになり、物理法則を見直した第3世代のデジタルカーリングを提案している。デジタルカーリングの開発とAIの歩みを振り返り、今後の展望について紹介する。
休憩 14:30 - 14:45

セッション 5 : 14:45 - 16:05 座長: 岩崎 英哉 (明治大学理工学部情報科学科)

[一般講演] Webブラウザ上で動作する「ある」プログラミング学習環境の実装に関する考察
中西 渉(名古屋高等学校)
概要
多くのプログラミング学習環境が,Webブラウザ上で動作するWebアプリケーションとして実装されている。筆者自身もある意味独自のプログラミング言語について,そのような環境の開発を手掛けてきた。しかし専門的な教育を受けてない者による一人プロジェクトであるため,とりあえず動くものは出来ているものの,それが良い実装になっているか,あるいは常識を踏まえた開発ができているかどうかについて,まったく判断ができない。そこで本稿では筆者が行なった実装の概要ならびに現時点で判明している問題点についてのまとめを行う。これを議論の俎上に乗せることができれば,今後同様の開発を行う者への反面教師としても役立つものと考えている。
[一般講演] アクティブラーニングに特化したオンライン授業ツールの開発
竹林 暁(株式会社TENTO),渡辺 勇士(日本大学),吉川 綱希(株式会社TENTO),藤原 尚聡(株式会社TENTO)
概要
株式会社TENTOは、2011年からプログラミング教育を実践してきた。そこでは、グループワークを主体にしたアクティブラーニングを行っていたが、2020年のコロナ禍に際してオンラインへの移行を余儀なくされた。移行に際して、Zoomに代表される既存のツールには複数の会話の同時進行ができないという大きな問題点があったため、自分たちでオリジナルのWeb会議ツールnoizを開発した。noizでは、「テーブル」と呼ぶ小部屋に分かれることで複数の会話を同時進行させることができ、他のテーブルの音がうっすら聞こえることで自分たちの会話のみならず他の会話状況もわかるようになっている。これにより、アクティブラーニングに必須な双方向型のコミュニケーションが可能になる。
休憩 16:05 - 16:15

セッション 6 : 16:15 - 17:20 座長: 三廻部 大 (トレジャーデータ株式会社)

[口頭発表 (ショート)] Rakuのサーバーを用いた実行
大蔵 海斗(琉球大学大学院理工学研究科工学専攻知能情報プログラム),河野 真治(琉球大学大学院理工学研究科工学専攻知能情報プログラム)
概要
現在開発の進んでいる言語にRakuがある. RakuはコンパイラがRaku自身で書かれてるため, 起動時に毎回コンパイラのロードとコンパイラ, JITコンパイルを繰り返すことになる. そのため, 起動時間及び処理速度がPerl5やPython, Rubyなど比較し非常に低速である. そこで, この問題を解決するために, 既にコンパイラをロードしてあるサーバーを同一ホスト内に用意し, このサーバーに実行するファイル名を転送し, サーバー上でコンパイルを行う手法を提案している. Rakuに対しては, 当研究室にてAbyssサーバーを開発している. 本稿では, Abyssサーバーの抱える欠点の改善を図り, 得られた改善点について述べ, 今後の展望について記載する.
[口頭発表] Rubyの高速なインタプリタ及び実行時コンパイラの開発
一色 聡一郎(有限会社ソフィア)
概要
Rubyは実用的で柔軟かつコンパクトな記述を特徴とするオブジェクト指向、動的型付けのスクリプト言語である。一方、動的型付け言語の欠点として実行速度が遅いことが指摘されている。これを補う技術の一つが実行時にソースコードを機械語へコンパイルする実行時コンパイラ(以下、JITコンパイラ)であり、近年Rubyを含む実用的な動的型付け言語の多くで開発が進められている。 現在われわれはRubyの独自実装として仮想マシン形式のインタプリタおよび実行時にx86-64機械語を生成するJITコンパイラを一から設計・開発しているので報告する。特徴としては、インタプリタ自体も機械語で記述することにより、インタプリタ・JITコード間の遷移が高速に行なえることが挙げられる。開発のごく初期段階ではあるが、Rubyの仮想マシンやJITコンパイラと比較しても良好な実行速度を得ている。
休憩 17:20 - 17:25

山内奨励賞表彰・受賞講演 17:25 - 17:55

アナウンスなど 17:55 - 18:00
夕食 18:00 - 19:30

夜のセッションなど 19:30 - 21:00

夜のセッション
ポスター・デモセッション (続き)
初日のポスター・デモセッションの会場は 2 日目の夜もそのまま開いています.この日も引き続き,ポスターやデモの議論をおこなっていただけます.
その他,詳細未定

3 日目 : 2023年1月8日 (日)

セッション 7 : 9:00 - 11:00 座長: 横山 大作 (明治大学)

[一般講演] 鉄道路線図を用いた変則リバーシの実装と戦略性の評価
高木 隆宏(明星大学大学院情報学研究科情報学専攻)
概要
鉄道路線図を盤面としてリバーシを行うボードゲーム「オセ路線」を考案し,実装を行った。このゲームに戦略性が存在する,つまり各局面に有効手や悪手が適切に存在するか,人間同士での対戦を行った。しかしゲーム試行回数が少なく,人間同士での対戦記録からは,プレイヤーの実力が関与しないゲームになっていないかなどの戦略性の有無を判断する要素については十分に評価することができなかった。そこでAI同士で対戦を行い記録が取れるようにし,ゲーム試行回数を増やし分析できるようにした。強さの異なるAIを用意し対戦させることで,オセ路線は運要素で全てが決まることはなく,つまり有効手や悪手が存在し,プレイヤーの実力により試合結果が左右されるゲームであると結論付けた。今後,オセ路線だけでなく任意のゲームの戦略性評価が可能な指標の作成を目指す。
[一般講演] 麻雀におけるプレイヤの副露率の分布が戦局に与える影響について
山﨑 陽介(広島市立大学情報科学部),川端 英之(広島市立大学大学院情報科学研究科),弘中 哲夫(広島市立大学大学院情報科学研究科)
概要
麻雀は4人で行う不完全情報ゲームで,配牌に対して不要な牌を切りつつ自摸や副露で牌を揃え,他のプレイヤより早く役を完成させるゲームである.副露とは,他のプレイヤの打牌を取得することにより,メンツを完成させる行為である(ポン,チー,カン).多くの場合,副露すると和了までが早くなり,点数が下がる.一方,副露しないと和了までが遅くなり点数が上がる.1局あたりに副露する割合である副露率は,プレイヤのスタイルを表すための一つの指標である.そのため,実際の麻雀の対局では相手の副露率を意識しながら対局することが多いが,現在まで,相手の副露率を意識した麻雀AIは我々の知る限り開発されていない.本研究では, 期待値と和了率を基準にして副露判断をすることで副露率を可変にすることができる麻雀AIを作成する.本発表では,4人の副露率の違いによって,対局に与える影響について議論する.
[一般講演] モンテカルロ木探索を用いたハゲタカのえじきエージェントの評価
志村 伊生六(長崎県立大学),山口 文彦(長崎県立大学)
概要
モンテカルロ木探索は、シミュレーションを用いることで、ゲームにおける最善手を効率良く求めることができ、逐次手番ゲームにおける有効なアルゴリズムとして普及している。しかし行動を同時に選択する同時手番ゲームにおいては、自分の行動を決定する際に他プレイヤーの行動を観察することが出来ないため、逐次手番ゲームとは異なり、各プレイヤー毎に求めた評価値をまとめた上でノードを選ぶ。本研究では、ハゲタカのえじきという同時手番ゲームの2人プレイで、モンテカルロ木探索の複数のバリエーションを用いた対戦エージェントを制作し、対戦における強さはどの程度か、理想的な戦略と考えられるナッシュ均衡戦略にどのくらい近づけるかを調べる。またハゲタカのえじきの3人プレイにおいて、2人プレイのエージェントに用いたアルゴリズムを基にモンテカルロ木探索の手法を提案し、同様の検証を行う。
クロージング 11:00 - 11:20
フリーディスカッション 11:20 - 12:00 (?)

12:00 前後に,ラフォーレ修善寺から修善寺駅までのバスを出してもらう予定です.